寒天印象材の選択の基準として色、特性、タイプ、価格など様々な方向から検討する必要があります。出来れば展示会などでサンプルを手に入れ、比較してから決定すると安心です。
1, 形態
大きく分けると、寒天印象材専用シリンジにスティックを挿入後、シリンジごとボイル、ストレージしてから印象を採得するシリンジタイプ(5/16インチ 直径8mmが主流です)とカートリッジタイプ(あらかじめアンプルに印象材が充填されておりカートリッジ単体で溶解します)別途、カートシリンジが必要です。)に分類できます。
シリンジタイプの長所はランニングコストが低く抑えられることです。又、容量も十分確保されていますので、多数歯の印象時にも安心です。カートリッジタイプは容器そのままで使用できますので、衛生的で、シリンジにセットする手間がありませんが、1本づつがアンプルに入っていますので、ランニングコストがシリンジタイプより高くなります。又、多数歯の印象では数本使用する事になりますので、素早く操作を行わないと、最初に注入した分が口腔内で固まってしまう事があります。
2,色
印象材の色は大切な要素です。きれいな色と印象(特にマージン)の見やすい色とは違います。又、アルジネートの色と反対色を選ぶようにすれば、コントラストがはっきりして、咬合面の印象材の逃げ(天井抜け)も確認しやすいでしょう。赤系のアルジネートには青系の寒天印象材というようにしましょう。蛍光灯の反射の少ない色調であることも重要なポイントです。
3, 物性
先生の印象採得のタイプは?
a. 細い針を使って、丁寧に圧出する『術者主導型』タイプ
粘度の高い、硬めの寒天を選んで下さい。これらはコシが強いので、ポスト印象や、隣接歯、支台歯間のアンダーカットが存在するケースでも寒天がちぎれにくい。また歯肉構に深く入った薄い寒天も、印象撤去時に損傷しにくいという特徴があります。
→デントロイド スーパーグリーンやブラウン
b. ある程度、寒天のフローにまかせて圧出する『材料おまかせ型』タイプ
ここのタイプは印象を流し込んだ場所から歯肉構に、印象材自身が勝手に流れ込んでくれる。そのため多数歯でも余裕を持って印象採得が出来るが、弾力があまり高くない為、コシが弱く撤去時にちぎれたり、くずれたりしやすい『材料おまかせ型』でふわっと印象を採りたい術者向け。
→デントロイド プロ、トリトン、ブルー等